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The Evil Hoodooについて
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The Evil Hoodooは60sを意識した正統派ガレージ・バンドと言われたが、東京のガレージ・シーンの中では本流ではないが一時的に乱気流を起こしたという意味においてエアポケットみたいな存在であった。日本で彼らのレコードをリリースしたのはMangrove Label、Target Earthという、決してガレージをメインとしていないレーベルだけであったというのがその一面を語っているかもしれない(USではGet Hip, 解散後に1+2より編集盤CDのリリースがある)。
 結成は93年ころ?だと思うが、ギターの石川の作ったメンバー募集のチラシを見て集まったメンバー、タクヤ(vo.)、スーキー(Ba.)、ウサミ(Org.)、オガマン(Dr.)、イシカワ(Gu.)の5人。以降、解散までメンバーチェンジは無かった。メンバーの呼び名はそのときどきによって表記が変わったりする。僕の場合は、本名の名字で呼んでいた。
 初期の彼らはVox Wah Wah Pedalというバンド名で活動していた。新宿ジャムでDaddy-O-Novがオーガナイズしていた東京ガレージ・シーンの発信地的イベントBack From The Graveの最終回に出演した。BFTGが無くなったことでガレージ・バンドたちが活動の場を広げることになるという効果が生まれるわけだが、Vox Wah Wah Pedalは最初から本流に加われなかった形となった。Pebblesでも聴けると思うけど、当時のVox Wah Wah Pedal のコマーシャル・ソングを毎回の登場テーマとしていた彼らの演奏は、60sガレージを基調に演奏し、サウンド的にはオルガンが入っているのが大きな特徴であるのと、ファッション的にもガレージ的イメージの古着を着こなしたりと、かなりこだわりが感じられた。当時の東京のガレージ・シーンでは、このような正統派のバンドは実は少なかったし、60sガレージに拘りつつもオタクが集まって研究会をやっているのではなく、なんかすごくスタイリッシュでカッコいいバンドが出てきたのだな、と感じた。カヴァー中心のバンドが多い中、初期からオリジナル曲を多く演奏していたというのも特徴だと言える。また、のちにイラストレーターとして活躍するオガマンの描く凝ったフライヤーがバンドのイメージを作るのに一役買っていたと言えるだろう(The Evil Hoodooのレコード・スリーブも全部彼の手によるもの)

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 1994年になり、彼らはバンド名をThe Evil Hoodooに変更。メンバーはThe Seedsのファンであり、その曲名から採った。この辺りから、さらに活動の幅が拡がって、King Joe率いるMagnitude 3やMach Kung Fuなど大阪のバンドとの繋がりや、Teengenerate界隈のパンク色濃いバンドたちとの共演も増えて行った。僕も自分の企画したライブに彼らとTeengenerateをブッキングしたりしていた。そのような流れの中でMangroveより1st EP がリリースされる。このEPは番号はROOT-003であるが、001はカセット、002のGraceはこれよりあとにリリースされたので、実質的にMangroveで最初のレコード盤のリリースとなった。Mangroveとしても大きな意味のある一枚だと思う。ここにはライブでよく演奏していた”Hell-O””Haunted”””Black Strings”が収録される。ノイジーな処理は、正統派な60sというのとは少し違うが、この判断は間違っていなかった。これによって彼らのサウンドの凶暴さが引き出され、90年代の時代感にもマッチした。

 1995年に入るとアメリカのGet HipよりセカンドとなるEP “Arlly! Go Away!”がリリースされた。これによって海外での知名度がアップする。このEPは1stのようなノイジーさは抑えてあり、より本格的なガレージ・サウンドに近いものとなっている。
 そして同年の秋に僕のレーベルであるTarget Earthの第一弾として彼らの3rd”Outta Tonight”をリリースすることになる。Get Hipのものが出る前に話は進行していたと思う。僕がなぜThe Evil Hoodooをレーベルの最初のリリースにしようとしたのか、うまく説明ができないが、機が熟していたのだろう、レーベルをやるべきだ、という強い気持ちが湧いてきたときにそこにいたカッコいいバンドが彼らだった。レコーディングはNG3/Ron Ron Clouの新井くんが手配してくれた。この繋がりを不思議に思う人もいるかもしれないが、The Evil HoodooはNG3、サニーデイ・サービス界隈にも支持されていたし、サニーデイにはウサミが参加したりもしている。大きなマイクで、ほぼ一発録りに近い形で録って、あとでヴォーカルやタンバリンなどを少し加えたと記憶している。ガレージという部分だけでなく、広く60s,70sを聴いていた新井くんの感覚が活きたアナログ・サウンドに仕上がった。

 そうして、思い入れも含めて個人的には彼らの最高傑作だと思うレコードができた。レコ発も新宿JAMで決まっていた。しかし、レコ発の少し前だろうか、タクヤから電話が掛かってきて、バンドの解散の意向を知らされる。だって、これからレコード出るんだよ!?って思ったけど、彼らの意思は固いようだった。結局、このレコ発の新宿ジャムと、同年の年末に小林くんのFree form Freakoutが当時歌舞伎町にあったリキッド・ルーム行った集大成的な大イベントに出演して 解散となる。約3年くらいの活動であったが、濃厚な活動であったと思う。90年代東京のガレージ・シーンの本流に居なかったが、それでいて本来の意味で最もガレージ的なバンドであった。

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 その後、イシカワ、スーキーはTeenie Cheetahsを結成、そこにタクヤが入る発展形としてThe Outsが生まれる。オガマンはBoyfriendsに加入など。ウサミはいくつかのバンドでゲスト参加などしていた。The Evil Hoodooとしての再結成は2002年に行われている。Deckrec根本の呼びかけによって実現、その流れでMangroveの10周年企画にも出演している。そこには半ば伝説化していたThe Evil Hoodooを観たことがなかったファンが詰めかけた。昔は人気なかったんだよ、とか言うのは老害っぽくてカッコわるいけど、冒頭にも書いた通り、The Evil Hoodooはいろんなタイミングのせいか、ガレージ・シーンのど真ん中でドーンという感じではなかったし、客は多いときもあったけど、少ないときの方が多かった。これはTeengenerateにも言えることだけど。なので、いつもパンパンですごく人気があった、という人がいたら、それはたまたま客が入っていたライブを観たか、または嘘だということになる。ただし、多方向に向いた活動をしていたので、多方面に少しずつファンが居るというのは事実だ。

 今回、9月に再々結成のライブがあるが、これはいきなり言ったことでもなく、僕は事あるごとに言ってきていて、本命は昨年がTarget Earthの20周年にあたっていたので、そこでなんかできればな、ということだったんだけど、今年になって実現することになった。様々な事情があって、オリジナル・メンバーが揃わなかったけど、もともと意識の高いバンドだったから、きっと素晴らしいものを観せてくれるだろうと思っている。先の再結成からも10年以上経っているということを考えると、初めて観るという人も増えていると思うので、どんな感想が出てくるか楽しみだ。

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