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アンディ・シャーノフ
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THE REDUCERS / last tracks & lost songs
lasttracks.jpg

THE REDUCERSのSTEVE KAIKAが2012年の6月に癌で亡くなって、もう2年半くらい経った。
僕は、STEVEの治療のためにベネフィット・ライブをやったり、トリビュート・アルバムの日本部分に関しての手配などいろいろやったが、残念ながら彼は返ることはなかった。悔しくて、自分のやったことは本当に良かったのだろうか、と考え直すことも何度かあったが、僕だけでなく、周りの友人たちが賛同し、STEVEのことを想い大勢手伝ってくれたのであるし、REDUCERS本人たちからの感謝の言葉を受け取り、まるってきり意味がないということではないのだ、と思うようになった。クサいことを言うが、僕らは友達なんだ。国、年齢など関係なく。友達が困ってたら助けるのは当たり前だ。

残された3人は、メンバーを補充してTHE REDUCERSを継続するという選択をせず、その名を封印したうえでTHE 3-PACKというバンド名のもと、新たに活動を始めたのであるが、THE REDUCERSのけじめとしてSTEVE存命時に残した録音を集めて最後のアルバムを完成させた。それがこのlast tracks & lost songsだ。

古くは1989年のスタジオ・リハーサル音源に始まり、2003~2006、2011~2013に録音された音源で構成されている。
さまざまな時期の演奏を集めているにも関わらず、通して聴いてもバラバラ感はなく、REDUCERSの新作なんだ、と言われても納得してしまう。別の言い方をすれば、THE REDUCERSはその音楽性を大きく変えたことはなく、ある意味愚直とも言えるほどのパブ・ロッキンなサウンドを奏でている。

我々日本人にとって一番のトピックは、やはり"TOKYO BAY"であろう。2004年の来日公演は彼らにとって唯一の海外ツアーであり、その後の活動に大きな影響を与えたと本人たちも語る印象的な出来事であったようで、帰国後、その情景を曲にしたのがこの"TOKYO BAY"というわけ。FIRESTARTERのメンバーやシンタロウ、マサ17なども歌詞に盛り込まれていて、あのときの興奮を思い出すことができる。そう、THE REDUCERSはUSのバンドでありながら、ルーツはロンドンのパブロック体験にあり、その後のUKパンクも含めてシンタロウ、マサ17とも気が合ったようだった。


THE REDUCERSはそのキャリアを通じて、自らの身の丈を認識していたかのようなバンドである。この4人でロックすることがベストで、それ以外の要素は必要ではない、と感じられた。80年代半ばには"Let's Go"がEpicのUnsignedというコンピに収録され、アメリカでもっともすばらしい未契約バンドとも言われたが、彼らは自主レーベルでのリリース、地元での活動にこだわった。だから、アメリカ人のパンク、パワーポップに詳しい人でも彼らの素晴らしさを知らない人がそれなりにいる。日本では、Fifiが90年代の初頭からやりとりをしていたのに加えて、Peer-Mossにいた苅部くんが大量に仕入れ、それが広まったので、THE REDUCERSのことを知っている人が多い。そして、2004年にはFIRESTARTERの招聘で、そのレコードを裏付ける、というかその何倍もすごいライブを見せつけてくれた。僕自身は、Fifiなどを通じての2次的な付き合いだったが、この来日以降なにかとやりとりをすることもあって、上に挙げたようなサポートをしたりということに繋がった。

あの来日に来てくれたひとたち、これが最後のアルバムとなったけど、相変わらず最高だから、聴いてみて。CDだけでなく、配信もあるみたいなんで、なんとしてでも音をチェックしてもらいたい。


the 3-pack、 Nervous Eatersのカヴァーをやってるよ
REAL NUMBERSについて
digital front



自分のリリースをまるで宣伝しないのもどうかと思いますが、
なんとなく数か月経ってしまいまして。
THE REAL NUMBERSの編集盤CDについて少し書きたいと思います。

THE REAL NUMBERSは2008年頃結成?でいいのかな?彼らのfacebook、またはbandcampのページを見てもあんまりよくわかんないけど、、、

どんなバンドかというと、TV PERSONALITIESとかO'LEBELのようなUKっぽいポップDIYパンク、ED BALL. DAN TREACYなどが作ってきたあの空気をアアメリカのミネソタ州、ミネアポリスにおいて体現しようとしている面白いバンドなんだよね。

中心人物のイーライとは2009年にBOYS CLUBが来日したときに知り合った。僕はスティーブ(現COZY)のバンド、BOYS CLUBの横浜でのライブをブッキングしたが、そのときにドラムで来ていたのがイーライであった。その後2013年にCOZYが日本に来たときもツアーをブッキングしたのだけど、メンバーが被るということでフルメンバーとはならない形で変則的ではあるけど、REAL NUMBERSのライブもいくつか組んだ。COZYのイーライとジョニー、トニーがREAL NUMBERSのメンバーでもあったのだ。

評判?は良くわからないが、僕は彼らの音楽は気に入った。グラム的なCOZYにせよ、TVP的なREAL NUMBERSにせよ、コンセプト先行な感はあるにせよ、曲のセンスはいいな、と思ったし、イーライの人柄も好きだった。ミネアポリスの音楽事情に関しては良く知らないので、それが普通なのか、異常なのか、わかんないんだけど、、イーライは70sパンクのレコードを集めているような奴で、そういった意味でも我々に近いものはあるのではないかと思った。

2014年にもCOZYおよびREAL NUMBERSは来日しているが、僕は関わらなかったし、ライブも観に行かなかった。2013年のツアー時にちょっとした許せないことがあり、スティーブとは喧嘩状態にあったからだ(その後、2014年ツアーの最後に会って仲直りしたが)。そういう事情を知ってか知らずか(知らない訳ないんだけど)、イーライは僕にCDリリースしてくれないか?と訊いてきた。かつて彼らのリリースをまとめたたカセットが出ていて、それののCD化ということ。スティーブとの喧嘩のこと知ってて言ってるなら、面の皮が厚いというか、まあ、面白いやつだよ。スティーブとは喧嘩してるんだよ、と言ったが、それでもぜひやってほしいという。僕はなんとなくだけど、やることに決めてしまった。カセット版をリリースしたNYにあるALMOST READYレコードとの共同リリースだということにも面白みを感じたし、金銭的リスクも少なかったし、なにしろ彼らの曲が好きだった。

今回のリリースは、彼らのリリースをまとめたたカセットのCD化となる。2008年にデビュー7"をThree Dimentionalから、09年にはセカンド7"をBachelorから出しているが、それらは含まれていない。「カセットの時と差別化したいし、時間的に収録できるから入れてしまえばいいのではないか?」と訊いたところ、「パンクっぽすぎていまの方向性と違うので入れたくない」ということであった。まあ、それはそれでいいかと。日本で出すというときにはなんでもボーナス・トラックを求めてしまう傾向があるが、それは作品ということを考えるとよくないことも多々あるので、それはそうだね、と納得した。それに日本ではそのカセットはあんまり出回ってないだろうということもあったので。

このCDはbandcampで全曲聴けるので、そういうこともあり限定200枚とし、それをREAL NUMBERS, ALMOST READY, TARGET EARTHでほぼ3等分した。なので、日本では70枚弱、もうあんまりないけど、soundcloudで聴いて興味あれば、BASEとかNATとかKNOXとかで売ってますので買ってみてください。

一道くんについて
佐藤一道くんのことは、クッキーシーンの編集者として知った。何年頃?もう10年以上前だろう。
そのころ、僕はクッキーシーンで連載コラムを持っていたこともあって、一道くんとも幾度となく会う機会があった。基本的に僕は編集長の伊藤さんと話をするのだが、なんらかのイベントなどあると会う機会もあった。僕は彼のことを「一道くん」と呼んでいた。単純な話で、もう一人佐藤聡くんという編集者もいたので、区別するために下の名前で呼んでいたというだけだ。周りでは彼のことを「ネギ」と呼ぶ人もいた。由来は知らない。

一道くんは、簡単にいえばシャイで、かつナード感の濃い男だった。しかし、彼の書く文章は実に考えられたもので、ダイナミックな、強引とも言える比喩表現は、深い考察から生まれるものだろうし、そこはかとないユーモアも持ち合わせているので、その対象となった音楽を知らなくても興味深く読めるものであったし、また、読んだ後は音をチェックしてみたいと思わせるという、優れたものであった。

彼は、シューゲイザーのガイドブックを黒田さんと共著で出したり、そのあとはパフュームを入口としてアイドルにも言及することが多くなったが、実はもっともっと広い範囲で音楽を掘っている男だった。60s,70sのロックの話なんかも普通にできたし、STAXのTシャツ着てたりしたから、ソウルの知識もあるのだろう。僕はクッキーシーン執筆陣の中では本筋とは外れているというか、いわゆるインディ・ロックに関してはほぼ書くことがなかったが、それでも編集のみんなとは色んな音楽の話をすることができた。それは伊藤さん含めてみんなの懐の深さというか、伊藤さんが、インディのみを狭く深く聴くよりもいろいろ聴いている人を編集者として選んでいたというのが大きいのだろう。僕はこんな感じだから、一道くんと話すときもいろいろ毒っ気のある話をしてしまうんだけど、彼はにやにやして聞いてくれてた。その表情が印象に残っている。

しかしながら、一道くん、と清水くんはクッキーシーンを離れて自分たちのメディアとしてモンチコンというブログを立ち上げたわけだ(初期には同じくクッキーシーンのライターでもあった山本くんa.k.a.ゆるマッチョ先生も関わっていた)。さらにはKikiというジンを作り、モンチコンは書籍化もした。僕は、長く関わっていた割にはクッキーシーンの内部事情にはそんなに詳しくないのだが、クッキーシーンが紙媒体であることを止め、ウェブに移行し、紙ではムック形態で出すことを試していた時期と重なる。伊藤さんも新たなことを始めるにあたってメンバーの刷新を図った時期でもあった。僕も長くレギュラー・ライターとして関わっていたが、ウェブ化して少し関わったのち、徐々にフェード・アウトしてしまった。僕がフェードアウトしたのは主に僕自身のぐうたらに理由があるが(ウェブなので、締め切りが無い、またはゆるい、など)、一道くんはどうだったのだろうか?

モンチコンの立ち位置を見るとそれはなんとなく見えてくるような気がする。ウェブに移行しつつもマネタイズの方向性を模索している(ここ、間違ってたらすみません)クッキーシーンとは対照的にあくまでもファン・ベースで対象について自分たちなりに深く書いてみようという動き。そして、スピード感と量。紙媒体でもそうだけど、広告出稿に対しての記事比率が多くなると、歪みが出てくる。なので、生活が掛かっている人からすれば夢見がちな甘っちょろい話だけど、「音楽」にフォーカスするなら、広告に縛られることは切り離さなければならない。そもそも対象としたいアーティストに広告がつくかどうかという問題もある。だから、一道くんは他方で依頼ベースのライター仕事もしつつ、ある程度自由に動けるところとしてモンチコンという場を中心に据えたのではないか、と推測する。モンチコンに対して、「ウェブで拾ってきた情報の寄せ集めではないか?」という声も少し聞いたことがあるが、そうだろうかね?いまの時代の取材の仕方、それを模索するのであれば、点で発信されているものを集めるという作業も必要であるし、モンチコンの2人は、現場にもいるんだよね。かといって関係者面するとかじゃなくて、好きだから観に来てるって感じ。ネストの上の階でライブ見ないでずっとしゃべってるやつとかいるけど、そういうのとは違う、というか。僕は彼らとは普段あまりやりとりしてなかったけど、ライブ会場では彼らをよく見かけたし、そこで会って少し話したりすることもあった。

僕としては、そんな彼らを遠くから見守っていた、といえば偉そうだが、頭の隅では気にしつつもあまり関わりを持つことが無くなっていた。一道くんとの関わりで最後になったのは、2011年に音盤時代という雑誌の中でアリエル・ピンクについて書いた文に僕が写真を付けたものだ。アリエル・ピンクも一道くん、清水くんには関わりが深いというか、まだぜんぜん有名になる前に、彼らがDIYスタイルで招聘したのだった。僕はそういう経験があったから、少しアドバイスしたりしたが、そのライブは成功したか、そうではなかったかは聞かなかったが、大変であっただろうことはなんとなく伝わってきた。その後ホステスからリリースして再来日となり、かなり盛況だったが、その時の写真を使わせて欲しいということで、一道くんからメールが来たのだった。

それ以降は直接の絡みはなかったが、彼らは面白いことに、これも元クッキーシーンの編集者である小熊くんと、雑誌コンテキストを立ち上げる(小熊くんもまた振り幅の広いリスナーであった)。彼らのナード感と悪ふざけ感をスタイリッシュにまとめるという、面白い雑誌であった。その2号目が準備されている、という話の中、一道くんは亡くなったようだ。僕は清水くんがモンチコン上に書いた文によってそれを知った。死因は知らないが、12月にソニー・スミスのライブで彼に会っていて、そのときは元気(というか、いつものにやにや、という感じ)だった。だから、なんかあったのだろう。自分よりも若い人が亡くなるというのはショックではあるし、なんでだよ、、、と思う。その理由は、いつか誰かが僕に教えてくれると思うが、今日のところは、上に書いたような、僕の知っている一道くんを思いだしながら献杯したい。

ariel.jpg
音盤時代の記事

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音盤時代より、アリエル・ピンクの写真

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